エクセルVBAを使った納期管理で業務時間を30%削減!?初心者でも導入できる実践ガイド
注文していた材料が全然届かない?納期はいつだっけ・・・他の材料も注文してたっけ・・・?
このように毎日の納期管理業務に追われていませんか?
私は電気設備を保守管理する会社で
材料の発注、工事の打ち合わせ、契約書の発行、など
期日が決まめられた作業を同時にこなさなればならない環境で仕事をしていました。
カレンダーに予定をビッシリ書き込んでいましたが忙しすぎてすっぽかしてしまうことも。。。。
エクセルVBAを使えば、こんな問題を解決することができるんです。
本記事では、
予定管理、納期管理をこなしてきた私が納期管理の自動化手法
をわかりやすく解説します。
VBA初心者の方でもわかりやすいよう具体的な設定手順から、よくあるトラブルの解決方法まで、実践的なノウハウをお伝えします。
この記事を参考にエクセルVABを使って納期管理業務の効率をアップさせましょうー。
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目次
エクセルVBAで納期管理を自動化する3つのメリット
どんな仕事でも必ず要求される課題が
「納期管理」または「予定管理」
です。
エクセルVBAを活用することで、この課題を効率的に解決できます。
プログラミング言語であるVBAを使うことで、手作業での管理から自動化された効率的な管理へと進化させることが可能。
ここでは、具体的な3つのメリットについてご説明します。
作業時間が1日あたり2時間以上削減できる
納期管理において最も大きな効果を発揮するのが、作業時間の大幅な削減です。
従来のエクセルでの手作業による納期管理では、データの入力や更新、確認作業に多くの時間を要していました。
しかし、
VBAを活用することで、これらの作業を自動化できます。
たとえば、
受注データの取り込みから納期計算、進捗管理表の更新をボタン1クリックで完了させる
ような処理が可能です。
実際に私の職場では、1日あたり2時間以上の作業時間削減に成功しています。
ヒューマンエラーによる納期遅延のリスクが激減
手作業による管理では避けられないのが
入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラー
ですよね。
VBAを使った自動化システムでは、
データのチェック機能や入力規則を設定することでヒューマンエラーを未然に防ぐ
ことができます。
入力された日付の妥当性チェックや、必須項目の入力確認、のように
このように「自動的にエラーを検知してお知らせする」VBAの設定がおすすめです。
リアルタイムでの進捗状況の把握が可能に
VBAによる自動化の大きな特徴は、
リアルタイムでの情報更新
です。
従来の方法では、進捗状況を確認するために各部署からの報告を待ち、手作業で集計する必要がありました。
しかし、
VBAを使用することで、データが入力されると同時に進捗状況が更新され、グラフや表で視覚的に確認できるようになります。
納期管理用VBAツールの基本設定手順
納期管理用のVBAツールを効果的に活用するためには、適切な初期設定が重要です。
ここからは、はじめての方でも簡単に設定できるよう、順を追って解説していきます。
基本的な設定ができるようになれば、VBA導入後の運用もスムーズに進められるので確実に把握しておきましょう。
必要な環境設定とエクセルの準備方法
まずは、適切な環境を整えることから始めましょう。
エクセルのバージョンは、2010以降であれば問題なく動作します。
新しい納期管理ファイルを作成する際は、必ずマクロ有効ブック(.xlsm)として保存することがポイントです。
また、作業効率を上げるために、開発タブを表示させる設定も必要です。
これは、エクセルのオプションから簡単に設定できます。
データの保存場所は、共有フォルダなど、関係者全員がアクセスできる場所を選びましょう。
マクロセキュリティの設定方法
VBAを使用するには、適切なセキュリティ設定が不可欠です。
エクセルの既定では、マクロの実行が制限されているためまずはセキュリティ設定を変更する必要があります。
「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」から、マクロの設定を「すべてのマクロを有効にする」または「デジタル署名されたマクロのみ有効にする」に変更します。
ただし、社内のセキュリティポリシーに従うことを忘れずに。
基本的なVBAコードの設定手順と解説
VBAエディタを開き、必要なモジュールを追加していきます。
こんな感じ
基本となるのは、シート間のデータ連携やボタンクリック時の処理です。
例えば、以下のような基本的なコードから始めると良いでしょう。
Sub 更新処理()
On Error GoTo エラー処理
上記のコードのように、エラーハンドリングを含めた基本構造の作成が重要です。
変数の宣言やエラー処理の実装は、後々のメンテナンスを考えても重要なポイントとなります。
納期管理エクセルVBAの具体的な自動化機能
納期管理の自動化で最も重要なのは、
必要な機能を過不足なく実装すること
です。
ここでは、特に重要な3つの機能について、実装方法を詳しく解説していきます。
納期アラート機能の実装方法
納期アラート機能は、納期遅延を防ぐための重要な機能です。
WorksheetChange イベントを使用して、納期の日付が近づいた案件を自動で検知します。
具体例としては、
現在日付と納期を比較し、設定した期間(例:残り7日)を下回った場合にアラートを表示させる
という処理を行います。
これにより、担当者は優先的に対応が必要な案件を見逃すことなく把握することが可能。
WorksheetChangeイベントは言い換えれば
セルに変化(値を入力したり削除したら)すればVBAを実行する
ということです。
WorksheetChangeイベントはModuleではなくSheetに直接コードを入力
していきます。
こんな感じ
VBAの導入においてめちゃくちゃ使用頻度の高いコードなので自由に扱えるようにしましょう。
関連記事「セルが空白なら〇〇をする」ではWorksheetChange イベントや引数Targetの使い方が解説されています。
ダウンロードできるサンプルコードも掲載されているので是非参考にしてみてください。
進捗状況の自動集計機能の設定
進捗状況の自動集計は、Array関数とLoop処理を組み合わせることで実現します。
たとえば、
各案件の進捗率を自動計算し、部署別や担当者別の集計表を自動作成する
このようなVABを設定しましょう。
さらに、ピボットテーブルと連動させることで、多角的な分析も可能になります。
レポート自動作成機能の導入手順
レポート作成の自動化では、
定型フォーマットのテンプレートを用意し、Range.Copyメソッドを使って必要なデータを自動で転記
させましょう。
レポートを自動作成するVBAを設定できるようになれば
「納期管理の結果」と「現在の進捗状況」を1つにまとめてレポートとして出力することが可能
になります。
関連記事「進捗管理VBAのダウンロード」では、
複数のシート情報を進捗状況をまとめる1つのシートに情報を転記する
VABが設定されています。
納期管理VBAと組み合わせることで作業効率を更にアップさせることが可能です。
よくあるトラブルと解決方法
VBAを使用する上で避けては通れないのが、
様々なトラブルへの対応
です。
ここでは、実務で頻繁に発生する問題とその解決方法をご紹介します。
エラーが発生した際の対処法
最も多いのが「実行時エラー」です。
これらのエラーは、主にデータ型の不一致や参照先の間違いで発生します。
エラーハンドリング(On Error GoTo文)を適切に実装し、エラーログを残す仕組みを作ることでトラブルの早期解決が可能になります。
また、デバッグモードを活用することで、エラーの原因特定も容易になります。
データが更新されない場合の確認ポイント
データ更新の問題は、主にシート保護やセル参照の誤りが原因です。
まずは、シートの保護状態とユーザーの編集権限を確認します。
次に、セル参照が正しいか、特に絶対参照と相対参照の使い分けが適切かをチェックしましょう。
また、計算方法が手動設定になっていないかも確認が必要です。
動作が重くなった場合の改善方法
プログラムの動作が重くなる主な原因は、
不要なLoop処理や画面更新
にあります。
Application.ScreenUpdating = Falseを使用して画面更新を制御したり、配列にデータを格納してからまとめて処理するなど、
パフォーマンスを考慮したコーディングが重要です。
関連記事「VBA処理を最適化手法で劇的に効率アップする方法」では
VBAの処理を高速化する方法を解説
しています。
併せてチェックしてみてください。
納期管理VBAがエクセルカレンダー
納期管理VBAがどれくらい便利なのかを理解していただくために
サンプルとして納期管理VBAが設定されたエクセルカレンダーの動き
をご紹介します。
納期管理VBAが設定されたエクセルカレンダーの処理がこちら
エクセルを開くと、
7日後、8日後、9日後の予定が点滅。上にある「点滅防止ボタン」を押下すると、点滅が止まる
というVBAです。
「年間カレンダー」シート、「月間カレンダー」シートが設定されていて、
1年を通じて予定を確認しやすい仕様
になっています。
エクセルを開いたときに納期管理VBAが実行
↓
日付を変数に格納し、納期として該当する日付のセルを番地を取得
↓
セルに予定が残った状態で納期が過ぎてればセルを点滅させる
他にも、「年度切替VBA」「年間カレンダーと月間カレンダーの同期VBA」など、感覚的に操作できるVBAが多数設定されているので誰でも簡単に扱うことが可能です。
納期管理VBAのサンプルコード
納期管理VBAに関するサンプルコード(抜粋)がこちら
Sub Timer1()
Dim Ye, Mo, Pom, Pod As Long
Dim No, Po As Date
Ye = Left(Range("A1"), 4)
Mo = Month(Now)
No = DateSerial(Ye, Month(Now), Day(Now))
Po = No + 7
Pom = (Month(Po) * 5) - 4
Pod = Day(Po) + 5
If Cells(Pod, Pom + 2) <> "" Then
Cells(Pod, Pom + 2).Interior.Color = RGB(255, 255, 213)
Cells(Pod, Pom + 2).Font.Color = RGB(255, 0, 0)
Application.OnTime Now() + TimeSerial(0, 0, 1), "Timer2"
Else
End If
End Sub
納期を知らせる方法にはセルを点滅させる以外に、
「メッセージボックスを表示させる」「アラーム音を鳴らす」など
いろんな方法があります。
納期管理VBAが設定されたエクセルファイルが下記のリンクからダウンロード可能。気になる方は是非チェックしてみてください。
業務内容に合わせた方法にアレンジしてみてください。
まとめ:納期管理VBAで業務改善を実現するポイント
VBAを活用した納期管理システムは、業務効率化の強力なツールとなります。
成功のカギは、
基本的な設定を確実に行い、必要な機能を段階的に実装していくこと
です。
また、実際の運用場面で発生するトラブルにも適切な対処方法を知っておくことで、
スムーズな運用が可能になります。
今回ご紹介した事例やポイントを参考に、
自社の業務に合わせたVBAシステムを構築していただければ必ず業務改善の成果を実感
していただけるはずです。
ぜひ、VBAによる自動化にチャレンジしてみてください。
この記事を読んで、
「VBAやってみたい!」「いろんなエクセル業務の自動化に挑戦したい!!」
と感じてくれた方はエクセルVBAの情報を定期的に配信しているメルマガへの登録を検討してみてください。
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この記事が、あなたの業務効率化への第一歩となることを願っています。
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