VBAの処理速度が遅い!?実は簡単!最新の最適化手法で劇的に効率アップする方法
頑張ってVBAを設定したけど処理速度が遅くて使い物にならない。。。
これってめちゃくちゃショックですよね!
特に、VBAについて何も知らない上司から「処理おそっ!!」って言われたら腹立ちませんか?
このような「VBAの処理速度が遅い」問題を解決します。
私は電気設備の保守管理会社に勤めていた頃、
5000行以上ある電気設備の台帳を編集する、1万件以上ある電気設備の取替要求書を作成する
という作業をしていました。
不良データは赤色に変更して、取替計画があるデータは緑色に変更して、、修繕したデータは、、、
手作業でやる作業ではないですよね。
こんな問題を解決するため、VBAを導入して自動化することに!!
作業効率は格段にアップしたものの、いろんなVBAを追加導入していくうちに、
処理にめちゃくちゃ時間がかかる!長いときには処理完了まで5分以上かかることもある
という問題が発生。
こんな問題を解決するために導入したのが『処理速度をアップさせるVBA』です。
導入した結論は、
今まで5分以上かかっていた処理が一瞬で完了するようになった!
です。
ちょっとした工夫で処理速度を劇的にアップさせることができます。
思っていたよりも簡単に設定できるので、VBAお処理に時間がかかっているという方は是非参考にしてみてください。
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目次
VBAの処理速度が遅い原因を徹底解説!パフォーマンス低下のメカニズムを理解しよう
処理速度の遅さは、単なる不便さを超えて業務効率に大きな影響を与えかねません。
特に大規模なデータセットや複雑な計算処理を行う際、
「えっ!!パソコンフリーズした!?」
と感じるくらい遅くなります。
処理速度の低下には必ず理由があります。
単に「遅い」と嘆くのではなく、「原因はなにか」「対応策はあるのか」を検討してみましょう。
ここからは、
VBAの処理速度を遅くする3つの根本的な要因を解説
していきます。
処理速度は遅くなる原因を理解することで、あなたのVBAコードは劇的に高速化され、より効率的なVBA開発が可能となるでしょう。
VBAの処理速度を遅くする3つの根本的な要因
なぜVBAの処理速度が遅くなってしまうのか。。。根本的な3つの要因をご紹介します。
1つ目の要因は「インタープリタ言語の特性」です。
VBAは、コードを1行ずつ解釈して実行するため、コンパイル言語と比べて処理が遅くなりがち。
これは、プログラムの実行中にリアルタイムで翻訳作業が行われているため、大量のデータを処理する際に大きなデメリットとなります。
2つめの要因は、「オブジェクトモデルの複雑さ」です。
Excelの膨大なオブジェクト階層を頻繁に参照することで、余分な処理時間が発生します。
たとえば、
大量のワークシートやセルを繰り返し操作する際、それぞれのオブジェクトへのアクセスが処理速度を著しく低下させるのです。
3つ目の要因は、「動的型付けによるオーバーヘッド」です。
VBAは変数の型を実行時に判断するため、型変換や型チェックに余分な処理時間を要します。
静的型付け言語と比較すると、この柔軟性は引き換えに処理速度の低下を招いているのです。
コードの非効率性が生む処理速度の落とし穴
非効率的なコーディングは、VBAの処理速度を大幅に低下させる要因となります。
「不必要に複雑な繰り返し処理」や「最適化されていないアルゴリズム」は、処理時間を何倍にも引き伸ばしてしまう原因です。
初心者によくある間違いは、大量のデータを1つ1つ処理することです。
小さなワークシートならまだしも数万行のデータを1行ずつ処理しようとすると、途端に処理が遅くなってしまいます。
単純な改善策として、
「配列の活用」「組み込み関数の使用」などで、
劇的に処理速度の向上が可能です。
メモリ管理の盲点が引き起こすパフォーマンス問題
メモリ管理は、VBAにおける最も難しい最適化ポイントの一つです。
不適切なメモリ使用は、処理速度の低下だけでなくアプリケーション全体の不安定さにも繋がります。
大量のオブジェクトを生成し適切に解放しない場合、メモリリークが発生します。
特に大規模なデータセットを扱う際は、使用しなくなったオブジェクトを明示的に破棄することが重要です。
また、不要な変数やオブジェクト参照をクリアすることで、メモリ使用効率を大幅に改善することができます。
VBA処理速度を10倍改善する3つの最適化テクニック
VBAの処理速度を改善する3つのテクニックを解説していきます。
あなたが設定したVBAと下記で紹介するサンプルコードを照らし合わせながら読み進めてみてください。
ループ処理を劇的に高速化する驚きの4つの技
まずは、VBAでよく使用されるループ処理の改善方法です。
大量のデータを処理する際、必ずと言っていいくらいループ処理VABが設定されますよね。
1行目から最終行までを検索して必要な情報を別シートに転記する、図形を3行ごとに表示させる、など
いろんな業務に応用可能。
処理速度のことを気にせずループ処理VBAを設定してしまうと、
作業時間を何倍にも引き伸ばしてしまう可能性がある
ので注意しましょう。
わかりやすいように
「非効率的なサンプルコード」と「効率的なサンプルコード」
の2つを掲載しています。
あなたが設定したVBAはどちらのコードにあてはまるのか確認してみてください。
テクニック1: Forループの最適化
非効率的なコード例:
Sub SlowLoop()
Dim i As Long
Dim ws As Worksheet
Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
For i = 1 To 10000
ws.Cells(i, 1).Value = i
Next i
End Sub
最適化したコード:
Sub FastLoop()
Dim arr() As Variant
Dim i As Long
ReDim arr(1 To 10000)
For i = 1 To 10000
arr(i) = i
Next i
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Range("A1:A10000").Value = arr
End Sub
テクニック2: 配列を利用したバルク処理
従来のセル単位処理:
Sub SlowCellUpdate()
Dim i As Long, j As Long
Dim ws As Worksheet
Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
For i = 1 To 1000
For j = 1 To 1000
ws.Cells(i, j).Value = i * j
Next j
Next i
End Sub
配列を利用した高速処理:
Sub FastArrayUpdate()
Dim arr() As Variant
Dim i As Long, j As Long
ReDim arr(1 To 1000, 1 To 1000)
For i = 1 To 1000
For j = 1 To 1000
arr(i, j) = i * j
Next j
Next i
ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").Range("A1:AZZ").Value = arr
End Sub
テクニック3: アプリケーション設定の一時的な最適化
Sub OptimizePerformance()
Dim startTime As Double
' パフォーマンス最適化の開始
Application.ScreenUpdating = False
Application.Calculation = xlCalculationManual
Application.EnableEvents = False
startTime = Timer
' ここに処理を記述
' 大量のデータ処理や複雑な計算
' パフォーマンス設定を元に戻す
Application.ScreenUpdating = True
Application.Calculation = xlCalculationAutomatic
Application.EnableEvents = True
MsgBox "処理時間: " & Format(Timer - startTime, "0.00") & "秒"
End Sub
テクニック4: With文を活用したオブジェクト参照の最適化
Sub OptimizeObjectReference()
' 非効率的な方法
Worksheets("Sheet1").Range("A1").Font.Color = vbRed
Worksheets("Sheet1").Range("A1").Font.Bold = True
Worksheets("Sheet1").Range("A1").Font.Size = 14
' With文を使用した最適化
With Worksheets("Sheet1").Range("A1").Font
.Color = vbRed
.Bold = True
.Size = 14
End With
End Sub
②オブジェクト参照の最適化で処理速度を劇的に向上させる方法
オブジェクト参照の最適化は、VBAの処理速度を大幅に改善する重要な戦略です。
以下のコード例で、具体的な最適化テクニックを説明します。
オブジェクト変数の事前宣言と再利用
Sub OptimizeObjectReference()
Dim ws As Worksheet
Dim wb As Workbook
Dim rng As Range
' オブジェクトを一度だけ参照
Set wb = ThisWorkbook
Set ws = wb.Worksheets("Sheet1")
Set rng = ws.Range("A1:Z100")
' 複数の操作で同じオブジェクト変数を再利用
rng.Font.Color = vbRed
rng.Interior.Color = vbYellow
rng.Borders.LineStyle = xlContinuous
End Sub
不要なメモリ解放で処理速度を改善するコーディングのコツ
オブジェクト変数の明示的な解放
Sub CleanupMemory()
Dim obj As Object
' オブジェクトの使用
Set obj = CreateObject("Some.Object")
' オブジェクトの処理
' 明示的にメモリを解放
Set obj = Nothing
End Sub
これらの最適化テクニックを駆使することで、VBAの処理速度を劇的に改善し、より効率的なVBA開発が可能となります。
VBAの処理速度アップさせる2つのポイント
ここからは、VBAの処理速度をアップさせるための2つのポイントをご紹介します。
紹介しているポイントを意識したVBA作りをすることで劇的に処理速度をアップさせることが可能です。
ワークシート操作の効率化による高速化テクニック
ワークシートの操作は、VBAにおける最も処理時間を消費する処理の一つです。
処理速度を低下させずにワークシートを操作するには、
Rangeオブジェクトの一括読み込みや、配列を活用したデータ操作
が有効です。
また、不必要な再計算や再描画を抑制することも処理低下防止に繋がります。
ビルトイン関数の賢い活用で処理時間を大幅短縮
VBAには多くの組み込み関数が用意されており、これらを賢く活用することで処理速度を大幅に改善できます。
(たとえば、IF関数やLeft関数、Date、Now、など、ほとんどがビルトイン関数です。)
自作の関数よりも、組み込み関数の方が圧倒的に処理速度が速いので積極的に使っていきましょう。
特にWorksheet.Rangeを使用した配列操作や、組み込みの集計関数などは、手作業の実装と比較して桁違いに高速です。
これらの関数を意識的に活用することで、コードの可読性と処理速度の両立が可能となります。
パフォーマンス改善の落とし穴!避けるべき3つの事例
VBA開発では、
どうすれば作業の自動化ができるのか、この関数を使えば処理できそう、など
目的の処理を完成させることで頭がいっぱいになって処理速度のことまで考えていない。
こんな方がほとんではないでしょうか。
私もそうです。
出来上がったVBAを確認してみて、
思ったより処理に時間がかかる!速度アップする対策でもするか。。。
こんな感じでVBAを作っています。
最初から処理速度のことまで考慮しながらコードを書ければスマートなのになぁ。。。
と後悔することばかり。
ここからは、処理速度を低下させないためのポイントをご紹介します。
メモリを気にせず大量のデータを処理するコードにしてしまう
VBAにおけるメモリ管理は、多くの開発者が陥りやすい最も危険な落とし穴の一つです。
不適切なメモリ扱いは、単に処理速度を低下させるだけでなくアプリケーション全体の安定性を著しく損なう可能性があります。
処理速度が低下するほとんどのケースが、
メモリリークの危険性を考慮せずにコードを書いてしまう
です。
処理するデータ量が多く、複雑な処理が求められると多くのメモリを消費してしまうので注意しましょう。
改善策としては、
1つのVBAでいっきに処理してしまうのではなく複数のVBAに分けて処理を完結させる
です。
たとえば、
1万件以上のデータを1つのVBAでいっきに処理しようとするとメモリリークが発生するので、1つ目のVABで5000件を処理し、2つ目のVBAで残り5000件を処理する
このような対策でメモリリーク発生を防ぐことができます。
会話するようにIF関数やAND関数を乱用してしまう
冗長で非効率的なコーディングスタイルは、VBAの処理速度を大幅に低下させます。
たとえば、
不必要に複雑な条件分岐や、最適化されていないループ処理、不要なオブジェクトの宣言、など
このようなVBA設定は処理時間を何倍にも引き伸ばしてしまいます。
もし〇〇なら××にして、××なら△△にして、やっぱり〇〇にする!
目的の結果を出力することはできるけど、処理に時間はかかるしコードが無駄に長ったらしくて見づらい。。。
コードの簡素化、組み込み関数の活用、アルゴリズムの最適化など、常に効率的な実装を意識することが重要です。
VBA処理中に無駄なメモリ消費をなくす
VBAの最適化を妨げる最も一般的な間違いは、不必要な再計算や再描画です。
特にExcelのワークシート上で大量のデータを処理する際は、
計算モードや画面更新を一時的に無効化することで処理速度を劇的に改善
することが可能。
また、過度に抽象化されたコードや、不要なオブジェクト参照も、パフォーマンスを低下させる要因となります。
常に具体的で効率的な実装を心がけることが重要です。
まとめ:VBA処理速度改善への最短ルート
VBAの処理速度改善は、
作業効率アップを目的として導入されるVBAにとって重要なポイント
です。
処理に時間がかかっても手作業より早い!と諦めないでください。
VBAの処理速度をアップさせるポイントのまとめがこちら
- ループ処理にはなるべく配列を使う
- 処理中は画面更新を一時停止する
- オブジェクトの宣言は最小限にして処理が終わったら解放する
- With構文を使ってスマートなVBA作成を心がける(処理速度に影響ないかも?)
- 不必要な分岐条件やループ処理を設定しない
これらのポイントを意識しながらVBAを作ってみてください。
完成したVBAが今までよりも一段階レベルアップしたような快感を得られるはずです。
この記事を読んで、
「VBAやってみたい!」「いろんなエクセル業務の自動化に挑戦したい!!」
と感じてくれた方はエクセルVBAの情報を定期的に配信しているメルマガへの登録を検討してみてください。
エクセル業務で苦しんだ私の経験を元に、
実務で役立つVBA情報をお届けしています。
この記事が、あなたの業務効率化への第一歩となることを願っています。
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