【VBA】表示形式を文字列に設定する方法 ~たった3ステップで思い通りの表示形式に変換~

 

数値が勝手に日付になってしまったり、「0001」と入力したいのに「1」になってしまう。。

こんな問題を抱えていませんか?

 

間違った入力をしているわけではないのに、入力内容が思い通り表示されないってめちゃくちゃストレスですよね。

 

これらの問題は

VBAで表示形式を文字列に設定することで一瞬で解決

することができます。

 

本記事では、文字列設定の基礎から実践的なテクニックまで、初心者にもわかりやすく解説します。

たった3ステップの手順で、データの取り扱いが格段に楽になる方法をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

VABを使って面倒なデータ処理を自動化してしまいましょう。

 

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VBAで表示形式を文字列に設定する基本知識

 

エクセルでデータを扱う際、表示形式の設定は非常に重要です。

 

特にVBAを使ってデータを操作する場合、

テキストを文字列として表示させることでデータの取り扱いがとても楽

になります。

 

ここからは、VBAを使って表示形式を文字列に設定する方法について基礎から丁寧に解説していきます。

 

表示形式を文字列に設定する必要性とメリット

セルに入力した値は自動的に表示形式が変換されてしまいます。

 

例えば、

「2024-01-22」と入力すると日付として認識され、「1234」と入力すると数値として認識される

といった感じです。

 

便利な機能ではあるものの、

入力された値をそのまま文字列として扱いたいこと

ってありますよね。

 

「1」ではなく「0001」と表示したい

「2025/1/1」ではなく「2025年1月1日」と表示したい

 

文字列として設定することで

データの加工や編集が簡単になり他のシステムとの連携もスムーズになる計算式に影響を与えない、など

のメリットがあります。

 

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ガッツポーズの人

入力内容をそのまま表示したい場合、表示形式「文字列」がおすすめ

 

VBAでの文字列表示形式の基本的な設定方法

VBAで表示形式を文字列に設定する基本的な方法は、

NumberFormatプロパティを使用する

です。

 

サンプルコードがこちら

  1. Sub SetTextFormat()
  2. 'セルA1の表示形式を文字列に設定
  3. Range("A1").NumberFormat = "@"
  4. '選択範囲の表示形式を文字列に設定
  5. Selection.NumberFormat = "@"
  6. '特定の範囲の表示形式を文字列に設定
  7. Range("A1:D10").NumberFormat = "@"
  8. End Sub

 

このコードでは、@記号を使って表示形式を文字列に設定していて、

@記号はエクセルにおける文字列形式を表す特殊記号

です。

 

よくあるエラーと対処法

表示形式の設定時に発生しやすいエラーについて説明します。

 

最もよく遭遇するのが「型の不一致」エラーで、

数値や日付を含むセルを文字列に変換するときよく発生

してしまいます。

 

こうしたエラーを防ぐためのサンプルコードがこちら

  1. Sub HandleErrors()
  2. On Error Resume Next
  3. 'セルの値を一度変数に格納してから文字列として設定
  4. Dim cellValue As String
  5. cellValue = CStr(Range("A1").Value)
  6. Range("A1").NumberFormat = "@"
  7. Range("A1").Value = cellValue
  8. On Error GoTo 0
  9. End Sub

 

上記サンプルコードは、

CStr関数を使って確実に文字列に変換してから値を設定し、On Error Resume Nextを使用してエラーハンドリングをする

という内容です。

 

VBAで表示形式を文字列に変換する3ステップ

 

VBAで表示形式を文字列に設定する具体的な手順を3つのステップに分けて解説。

初めてVBAを使う方でも簡単に実装できるようにそれぞれのステップを詳しく説明していきます。

 

STEP1: セル範囲の選択とフォーマット設定

まず最初に、文字列として設定したいセル範囲を正しく選択する必要があります。

 

セル範囲を選択する最も基本的なコードの書き方がこちら

  1. Sub SelectAndFormat()
  2. '特定のセル範囲を選択
  3. Dim targetRange As Range
  4. Set targetRange = Worksheets("Sheet1").Range("A1:D10")
  5. '現在のフォーマットをクリア
  6. targetRange.Clear
  7. '表示形式を文字列に設定
  8. targetRange.NumberFormat = "@"
  9. End Sub

 

上記サンプルコードは、

対象範囲を変数に格納し、既存のフォーマットをクリアしてから新しい表示形式を設定する

という意味です。

 

これにより、既存の設定による影響を避けることができます。

 

STEP2: NumberFormatプロパティの使い方

NumberFormatプロパティは表示形式を制御する重要な要素です。

文字列以外にも様々な表示形式を設定できますが、今回は文字列変換に焦点を当てて解説します。

  1. Sub UseNumberFormat()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  4. '文字列形式の設定
  5. ws.Range("A1").NumberFormat = "@"
  6. '値の設定
  7. ws.Range("A1").Value = "2024-01-22"
  8. '日付を文字列として保持
  9. ws.Range("B1").NumberFormat = "@"
  10. ws.Range("B1").Value = Format(Date, "yyyy-mm-dd")
  11. End Sub

 

上記サンプルコードは、

日付データを文字列として保持しつつ、Format関数を使って希望の形式で表示する

という意味です。

 

STEP3: 文字列表示のカスタマイズ方法

文字列として設定した後、

「テキストの種類」「テキストの配置」「テキストの大きさ」などを指定する

ことでさらに見やすく使いやすい形式にできます。

 

文字列表示をカスタマイズするサンプルコードがこちら

  1. Sub CustomizeTextFormat()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  4. '左寄せで表示
  5. ws.Range("A1").HorizontalAlignment = xlLeft
  6. 'フォントと色の設定
  7. With ws.Range("A1")
  8. .NumberFormat = "@"
  9. .Font.Name = "メイリオ"
  10. .Font.Size = 11
  11. .Interior.Color = RGB(240, 240, 240)
  12. End With
  13. '文字列の前後に特定の文字を追加
  14. ws.Range("A1").Value = "【" & ws.Range("A1").Value & "】"
  15. End Sub

 

上記サンプルコードは、

「テキストを文字列形式にする」「テキストの種類をメイリオにする」「テキストのサイズを11にする配置」「テキストの色を変える」

という意味です。

 

見た目を詳しく設定できるので、キレイな資料に仕上げることができます。

 

実践で使える!表示形式を文字列に変換する活用テクニック

 

実際の業務では、

単純な文字列変換だけでなく様々なデータタイプを適切に扱う

必要があります。

 

ここからは、実務でよく遭遇する具体的なケースとその解決方法について解説していきます。

 

日付データを文字列に変換する方法

日付データの文字列変換は、データ連携においてとても重要です。

 

特に、システム間でデータをやり取りする際には、日付の形式を統一する必要があります。

 

日付形式を統一するサンプルコードがこちら

  1. Sub ConvertDateToString()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  4. '日付データを文字列として格納
  5. With ws.Range("A1")
  6. .NumberFormat = "@"
  7. .Value = Format(Date, "yyyy/mm/dd")
  8. End With
  9. '時刻を含む日付データの変換
  10. With ws.Range("A2")
  11. .NumberFormat = "@"
  12. .Value = Format(Now, "yyyy/mm/dd hh:nn:ss")
  13. End With
  14. '和暦への変換例
  15. With ws.Range("A3")
  16. .NumberFormat = "@"
  17. .Value = Format(Date, "gge年mm月dd日")
  18. End With
  19. End Sub

このコードでは、日付データを様々な形式の文字列に変換する方法を示しています。

 

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ガッツポーズの人

業務内容に合った部分のコードをコピペして活用してください。

 

数値データを文字列として扱うポイント

数値データを文字列に変換する際は、桁数や小数点の扱いに注意が必要です。

 

桁数や小数点を指定するサンプルコードがこちら

  1. Sub ConvertNumberToString()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  4. '3桁区切りの数値を文字列に変換
  5. With ws.Range("A1")
  6. .NumberFormat = "@"
  7. .Value = Format(1234567, "#,##0")
  8. End With
  9. '小数点以下を含む数値の変換
  10. With ws.Range("A2")
  11. .NumberFormat = "@"
  12. .Value = Format(1234.567, "#,##0.000")
  13. End With
  14. '先頭にゼロを付ける場合(注文番号などに使用)
  15. With ws.Range("A3")
  16. .NumberFormat = "@"
  17. .Value = Format(123, "0000000")
  18. End With
  19. End Sub

 

見た目のキレイな資料作りには、

「桁数を揃える」「カンマと小数点の表示を揃える」などの処理

が必要です。

 

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ガッツポーズの人

手作業でやると編集忘れの恐れがあるのでVBAで自動化することをおすすめします。

 

複数セルの一括変換テクニック

大量のデータを扱う際は、効率的な一括変換が重要です。

 

複数のセルをまとめて変換するサンプルコードがこちら

  1. Sub BatchConversion()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Dim rng As Range
  4. Dim cell As Range
  5. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  6. Set rng = ws.Range("A1:D100") '対象範囲を設定
  7. Application.ScreenUpdating = False '画面更新を停止して処理を高速化
  8. '一括で表示形式を設定
  9. rng.NumberFormat = "@"
  10. '各セルの値を文字列として再設定
  11. For Each cell In rng
  12. If Not IsEmpty(cell) Then
  13. cell.Value = CStr(cell.Value)
  14. End If
  15. Next cell
  16. Application.ScreenUpdating = True '画面更新を再開
  17. End Sub

 

大量のデータをまとめて処理しようとすると時間がかかったり、最悪の場合「メモリー不足」というエラーが発生してしまいます。

 

こんな問題を解決するために上記サンプルコードでは

Application.ScreenUpdatingプロパティを使用して処理を高速化する」「空のセルをスキップすることで不要な処理を減らす

対策が設定されています。

 

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ガッツポーズの人

VBA作成時によく使われるテクニックなので自由に扱えるようにしておきましょう。

 

よくある質問とトラブルシューティング

 

VBAで表示形式を文字列に設定する際に、よく発生する問題とその解決方法を解説していきます。

 

文字列変換後の値が正しく表示されない場合の対処法

値が正しく表示されない場合は、

データ型の変換時に問題が発生している

ことがほとんどです。

 

このような問題を解決するサンプルコードがこちら

  1. Sub TroubleshootDisplayIssues()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  4. '文字化けを防ぐための対処
  5. With ws.Range("A1")
  6. .NumberFormat = "@"
  7. 'バイト文字を適切に処理
  8. .Value = StrConv(.Value, vbNarrow)
  9. End With
  10. '数値の丸め込みを防ぐ
  11. With ws.Range("A2")
  12. .NumberFormat = "@"
  13. .Value = Format(.Value, "0.000") '小数点以下3桁を保持
  14. End With
  15. '特殊文字を含む場合の対処
  16. With ws.Range("A3")
  17. .NumberFormat = "@"
  18. .Value = Replace(Replace(.Value, vbCr, ""), vbLf, "")
  19. End With
  20. End Sub

 

上記サンプルコードは、

文字化け、数値の丸め込み、特殊文字による表示崩れ、などの問題を対処

することができます。

 

表示形式の設定が保持されないときの解決方法

設定した表示形式が保持されない問題は、

ワークシートの保存や再開時によく発生

します。

 

このような問題を解決するサンプルコードがこちら

  1. Sub PreserveTextFormat()
  2. Dim ws As Worksheet
  3. Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  4. 'ワークシートの変更イベントを活用
  5. Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
  6. If Not Intersect(Target, Range("A1:D100")) Is Nothing Then
  7. Application.EnableEvents = False
  8. Target.NumberFormat = "@"
  9. Application.EnableEvents = True
  10. End If
  11. End Sub
  1. 'ブックを保存する前の処理
  2. Private Sub Workbook_BeforeSave(ByVal SaveAsUI As Boolean, Cancel As Boolean)
  3. Dim targetRange As Range
  4. Set targetRange = Range("A1:D100")
  5. targetRange.NumberFormat = "@"
  6. End Sub

 

上記サンプルコードは、

ワークシートの変更イベントとブックの保存前イベントを利用して、表示形式を確実に保持する

ことができます。

 

他のブックでも使える!汎用的なコード作成のコツ

異なる環境でも確実に動作する汎用的なコードを作成することは、業務効率化の重要なポイントです。

安全にかつ確実に実行できるサンプルコードがこちら

  1. Public Function ConvertToText(ByVal targetRange As Range) As Boolean
  2. On Error GoTo ErrorHandler
  3. Application.ScreenUpdating = False
  4. 'シート保護の一時解除
  5. Dim isProtected As Boolean
  6. isProtected = targetRange.Worksheet.ProtectContents
  7. If isProtected Then targetRange.Worksheet.Unprotect
  8. '表示形式の設定と値の変換
  9. With targetRange
  10. .NumberFormat = "@"
  11. .Value = .Value
  12. End With
  13. '保護の再設定
  14. If isProtected Then targetRange.Worksheet.Protect
  15. Application.ScreenUpdating = True
  16. ConvertToText = True
  17. Exit Function
  18. ErrorHandler:
  19. Application.ScreenUpdating = True
  20. If isProtected Then targetRange.Worksheet.Protect
  21. ConvertToText = False
  22. End Function

 

上記サンプルコードの特徴がこちら

  • エラーハンドリングを実装して安全性を確保
  • シート保護状態に対応
  • 処理の成功・失敗を戻り値で判断可能
  • 画面更新の制御による処理の効率化

 

上記コードを全て設定すれば確実にVBAを実行することができますが、毎回設定するのはちょっと面倒ですよね。。。

 

必要な部分のコードだけをコピペして活用してください。

 

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ひらめく人

ちなみに私は、シート保護に対応するコードは滅多に設定しません。

 

まとめ:表示形式を文字列に変換するVBAは実務で使える!!

 

いかがでしたでしょうか。

 

表示形式を常に気にしながらエクセル業務を行っている方はほとんどいないかと思います。

 

ですが、エクセルをよく使う方であれば

日付を操作するとき、数値を操作するとき、などに思い通りテキストが表示されなくて困る

という経験をしたことが1回はあるのではないでしょうか。

 

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疲れ果てた人

どう解決すればいいかわからず意外とてこずりますよね。。。

 

そんなとき、表示形式を文字列に変換するVBAの知識があればすぐに解決することができます。

さらに、

指定する範囲だけを文字列に変換するVBAを設定できれば、問題の発生を防ぎ作業効率アップ

に繋げることだって可能です。

 

この記事を読んで、

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