【VBA】抽出したデータを別ファイルに転記する方法!実務で使える3つの応用例を紹介

 

大量にあるデータから特定のデータを探し出し、別ファイルに転記したい

 

こんな問題は『データ抽出VBA』で解決できます。

 

『データ抽出VAB』は以下のようなエクセル業務に応用することが可能です。

・個人が管理している日報ファイルを1つのファイルに集約する

・複数ある検査用ファイルの情報を1つの報告用ファイルに集約する

・期日切れとなったデータのみ1つのファイルにまとめる

 

『データ抽出VBA』の最大の特徴は、

大量のデータ処理を一瞬で、ミスなく処理できる

ということです。

 

毎日、同じような抽出作業を繰り返し行っているなら、本記事で紹介している『データ抽出VBA』の導入が絶対におすすめです。

何時間もかけている抽出作業が、ほんの数分で処理できるようになるはずです。

 

 

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VBAでデータ抽出・別ファイル転記の基本概念

VBAを使ったデータ抽出と別ファイルへの転記は、日常業務の効率化において最も重要なスキルの一つです。

データベースのような考え方でワークブック間の情報をやり取りする技術であり、マクロ処理の中でも特に実用性が高い。

 

適切なVBAコードを組むことで、

繰り返し作業から解放され、思考する必要がない単純作業の完全自動化を実現

できるようになります。

 

VBAでデータ抽出が必要な理由

エクセル業務では、データ抽出の自動化が業務改善の鍵となっています。

手動でのコピペ作業は時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーのリスクも高く、大量のスプレッドシートを扱う場面では現実的ではありません。

 

『データ抽出VBA』の導入により、

数千行のデータからでも瞬時に条件に合致する行を抽出できる

ようになります。

 

たとえば、

・売上データから特定期間や特定商品の情報だけを取り出す

・顧客リストから特定地域の顧客情報のみを抜き出したす

という処理の自動化が可能。

 

さらに、

処理の正確性が保証され同じ作業を何度でも再現できるため、品質管理の面でも大きなメリットがあります。

 

別ファイル転記の仕組み

VBAでの別ファイル転記は、

ソースファイルとターゲットファイルという2つのワークブックを操作する仕組み

で動作します。

 

プログラムは最初にソースファイルを開いて必要なデータを読み取り、次にターゲットファイルを作成または開いて、読み取ったデータを指定された場所に書き込みます。

 

この処理では、WorkbooksオブジェクトとWorksheetsオブジェクトを使ってファイルとシートを制御し、Rangeオブジェクトでセルの値を操作します。

データ転記の際には、元データの形式や構造を維持しながら、必要に応じてフォーマットの調整が可能。

 

ファイルパスの指定やシート名の設定など、細かい設定により柔軟な処理が可能になり、業務要件に合わせたカスタマイズができます。

 

関連記事「別ブックの情報を取得する方法」では、VBAを使って別ブックを「開く」、「閉じる」、「保存する」基本的なVBAコードの作り方が紹介されています。

 

 

『データ抽出VBA』のイメージが付きにくい方は上記の記事を先に確認してみてください。

 

【基本編】VBAでデータを抽出して別ファイルに転記する手順

基本的なVBAでのデータ抽出・転記は、

「元データの読み取り」「条件判定」「新ファイルへの書き出し」

という3つのステップで構成されます。

 

この処理を正しく実装するためには、まずワークブックとワークシートの操作方法を理解し、適切な変数の設定とループ処理を組み合わせることが重要です。

 

事前準備とファイル構成

データ抽出・転記を行う前に、適切なファイル構成とフォルダ管理が成功の鍵となります。

作業用フォルダを作成し、ソースファイル(元データ)とターゲットファイル(転記先)を明確に分けて配置することで、プログラムの動作が安定し、メンテナンスも容易になります。

 

ファイル名には日付や連番を含めた命名規則を設定し、上書きによるデータ消失を防ぐ工夫も必要です。

また、

データの形式やレイアウトを事前に統一しておくことで、VBAコードがシンプルになり、エラーの発生率も大幅に減少します。

 

バックアップファイルの作成や、処理ログの出力設定など、どのように運用していくのかを計画しておきましょう。

 

基本的なVBAコードの記述方法

VBAでのデータ抽出・転記の基本コードは、シンプルな構造で理解しやすく設計することが大切です。

 

必要な変数を宣言し、ソースファイルとターゲットファイルを開く処理のサンプルコードがこちら

Sub データ抽出転記()
Dim sourceWb As Workbook
Dim targetWb As Workbook
Dim sourceWs As Worksheet
Dim targetWs As Worksheet
Dim lastRow As Long
Dim i As Long
Dim targetRow As Long

' ソースファイルを開く
Set sourceWb = Workbooks.Open("C:\作業フォルダ\元データ.xlsx")
Set sourceWs = sourceWb.Sheets("Sheet1")

' ターゲットファイルを新規作成
Set targetWb = Workbooks.Add
Set targetWs = targetWb.Sheets("Sheet1")

' データの最終行を取得
lastRow = sourceWs.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
targetRow = 1

' データを1行ずつチェックして条件に合うものを転記
For i = 1 To lastRow
If sourceWs.Cells(i, 2).Value = "抽出条件" Then
sourceWs.Rows(i).Copy targetWs.Rows(targetRow)
targetRow = targetRow + 1
End If
Next i

' ターゲットファイルを保存
targetWb.SaveAs "C:\作業フォルダ\抽出結果.xlsx"

' ファイルを閉じる
sourceWb.Close
targetWb.Close
End Sub

 

このサンプルコードは、

For文を使って元データを1行ずつ確認し、指定した条件に合致する行だけを新しいファイルにコピーする

という内容です。

 

変数の適切な宣言とオブジェクトの設定により、メモリ効率の良い処理が実現でき、大量データでも安定して動作します。

 

関連記事「For~Nextと関数IFの使い方」では、大量のデータを繰り返し処理する基本的なVBAコードの作り方が紹介されています。

 

 

【応用例1】条件付きデータ抽出で特定項目のみ別ファイル化

条件付きデータ抽出は、

膨大なデータベースから必要な情報だけを効率的に取り出すVBAの核心技術

です。

 

単純な全件コピーではなく、売上金額や日付、地域などの特定条件に合致するレコードのみを選別して別ファイルに転記することで、

データ分析の精度が向上し、ファイルサイズも最適化されます。

 

たとえば、

・全国の売上データから東京都の顧客データのみを抽出する

・特定期間の取引履歴だけを別途管理したりする

といった設定が可能です。

 

フィルタリング機能やIF文による条件判定を組み合わせることで、複雑な業務要件にも対応でき、手作業では不可能な高速処理が実現できます。

 

条件指定の方法とフィルタリング

VBAでの条件指定は、IF文とAND・OR演算子を組み合わせることで柔軟な抽出ロジックを構築できます。

数値比較では大小関係や範囲指定、文字列比較では部分一致や完全一致など、データ型に応じた適切な比較演算子を使い分けることが重要です。

 

売上金額が100万円以上かつ契約日が今年度内という複合条件で抽出するサンプルコードがこちら

Sub 条件付き抽出()
Dim sourceWs As Worksheet
Dim targetWs As Worksheet
Dim i As Long, targetRow As Long

Set sourceWs = ThisWorkbook.Sheets("売上データ")
Set targetWs = Workbooks.Add.Sheets(1)
targetRow = 1

For i = 2 To sourceWs.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
' 売上金額が100万円以上かつ地域が東京の条件
If sourceWs.Cells(i, 3).Value >= 1000000 And _
sourceWs.Cells(i, 4).Value = "東京" Then
sourceWs.Rows(i).Copy targetWs.Rows(targetRow)
targetRow = targetRow + 1
End If
Next i
End Sub

 

条件指定項目を増やせば、さらに細かい条件によりデータ抽出が可能です。

 

AutoFilterを使った効率的な抽出

AutoFilter機能を活用することで、

VBAでの条件抽出処理が劇的に高速化

されます。

 

数万行のデータでも瞬時に検索・抽出が可能で、システムリソースの消費も最小限に抑えられます。

 

AutoFilterは複数列での同時フィルタリングに対応しており、ユーザーインターフェースと同様の直感的な操作が可能です。

Sub AutoFilter抽出()
Dim sourceWs As Worksheet
Dim targetWb As Workbook
Dim filterRange As Range

Set sourceWs = ThisWorkbook.Sheets("データ一覧")
Set filterRange = sourceWs.UsedRange

' AutoFilterを適用
filterRange.AutoFilter Field:=2, Criteria1:=">=100000" ' 金額条件
filterRange.AutoFilter Field:=3, Criteria1:="東京" ' 地域条件

' フィルタ結果をコピー
Set targetWb = Workbooks.Add
filterRange.SpecialCells(xlCellTypeVisible).Copy _
targetWb.Sheets(1).Range("A1")

' フィルタを解除
sourceWs.AutoFilterMode = False

targetWb.SaveAs "抽出結果_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".xlsx"
End Sub

 

このコードにより、複雑な条件でも高速かつ正確な抽出処理が実現できます。

 

複数条件での抽出コード例

実務では単一条件での抽出よりも、複数の条件を組み合わせた複雑な抽出処理が求められることが多くあります。

 

VBAでは配列やCase文を活用することで、可読性の高い複数条件処理が記述でき、メンテナンス性も向上します。

 

OR条件とAND条件を適切に組み合わせることで、業務内容に合わせたデータ抽出VBAの設定が可能です。

Sub 複数条件抽出()
Dim sourceWs As Worksheet, targetWs As Worksheet
Dim i As Long, targetRow As Long
Dim 売上金額 As Double, 地域 As String, 契約月 As Integer

Set sourceWs = ThisWorkbook.Sheets("営業データ")
Set targetWs = Workbooks.Add.Sheets(1)
targetRow = 1

' ヘッダー行をコピー
sourceWs.Rows(1).Copy targetWs.Rows(1)
targetRow = 2

For i = 2 To sourceWs.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
売上金額 = sourceWs.Cells(i, 3).Value
地域 = sourceWs.Cells(i, 4).Value
契約月 = Month(sourceWs.Cells(i, 5).Value)

' 複数条件の判定
If (売上金額 >= 500000 And (地域 = "東京" Or 地域 = "大阪")) _
And (契約月 >= 4 And 契約月 <= 6) Then
sourceWs.Rows(i).Copy targetWs.Rows(targetRow)
targetRow = targetRow + 1
End If
Next i

targetWs.Parent.SaveAs "四半期別抽出_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".xlsx"
End Sub

 

複数の条件を組み合わせることで、季節性や地域性を考慮した高度な業務分析が可能になります。

 

【応用例2】複数ブックから一括データ抽出・統合

複数のエクセルファイルに分散したデータを一つにまとめる処理は、月次レポート作成や部門別データの統合において必須の技術です。

 

フォルダ内の全ファイルを自動検索しデータ形式を統一しながら一つのマスターファイルに集約することで、編集作業の効率が飛躍的にアップします。

 

複数ファイルの自動読み込み処理

フォルダ内の全エクセルファイルを自動的に検索して順次処理する仕組みは、定期的なデータ統合作業の効率化に欠かせません。

Dir関数を使用してファイル一覧を取得し、ループ処理で各ファイルを開いてデータを読み込む処理により、手作業では困難な大量ファイルの一括処理が可能になります。

 

ファイル名のパターンマッチングや更新日時による絞り込み機能も組み込むことで、より精密な処理制御が可能です。

Sub 複数ファイル読み込み()
Dim folderPath As String, fileName As String
Dim sourceWb As Workbook, targetWb As Workbook
Dim sourceWs As Worksheet, targetWs As Worksheet
Dim targetRow As Long

folderPath = "C:\データフォルダ\"
Set targetWb = Workbooks.Add
Set targetWs = targetWb.Sheets(1)
targetRow = 1

fileName = Dir(folderPath & "*.xlsx")

Do While fileName <> ""
Set sourceWb = Workbooks.Open(folderPath & fileName)
Set sourceWs = sourceWb.Sheets(1)

' データ行のみをコピー(ヘッダーは最初のファイルのみ)
If targetRow = 1 Then
sourceWs.UsedRange.Copy targetWs.Cells(targetRow, 1)
targetRow = sourceWs.UsedRange.Rows.Count + 1
Else
sourceWs.Range("A2:" & sourceWs.UsedRange.Address).Copy _
targetWs.Cells(targetRow, 1)
targetRow = targetRow + sourceWs.UsedRange.Rows.Count - 1
End If

sourceWb.Close SaveChanges:=False
fileName = Dir
Loop

targetWb.SaveAs folderPath & "統合データ_" & Format(Date, "yyyymmdd") & ".xlsx"
End Sub

 

指定したフォルダ内のエクセルファイルを全てループ検索するので、エクセルファイルが増減しても問題ありません。

 

データ統合とフォーマット統一

複数ファイルからのデータ統合では、各ファイルのデータ形式やレイアウトの違いを吸収し、統一されたフォーマットで出力することが重要です。

列の順序が異なる場合やデータ型の不一致がある場合でも、適切な変換処理を行うことで整合性の取れた統合データが作成できます。

 

日付形式の統一や数値の桁揃え、文字列の正規化など、フォーマットの違いによるエラーが発生しないコード作りを目指しましょう。

Sub データ統合フォーマット統一()
Dim sourceWb As Workbook, targetWb As Workbook
Dim i As Long, j As Long, targetRow As Long
Dim folderPath As String, fileName As String
Dim headerMap As Object

folderPath = "C:\統合対象\"
Set targetWb = Workbooks.Add
Set headerMap = CreateObject("Scripting.Dictionary")

' 標準ヘッダーの定義
headerMap("日付") = 1
headerMap("商品名") = 2
headerMap("売上金額") = 3
headerMap("担当者") = 4

targetRow = 2
' ヘッダー行を設定
targetWb.Sheets(1).Cells(1, 1) = "日付"
targetWb.Sheets(1).Cells(1, 2) = "商品名"
targetWb.Sheets(1).Cells(1, 3) = "売上金額"
targetWb.Sheets(1).Cells(1, 4) = "担当者"

fileName = Dir(folderPath & "*.xlsx")
Do While fileName <> ""
Set sourceWb = Workbooks.Open(folderPath & fileName)

' データ変換・統合処理
For i = 2 To sourceWb.Sheets(1).UsedRange.Rows.Count
For j = 1 To 4
Select Case j
Case 1 ' 日付の統一
targetWb.Sheets(1).Cells(targetRow, j) = _
Format(sourceWb.Sheets(1).Cells(i, j), "yyyy/mm/dd")
Case 3 ' 金額の数値化
targetWb.Sheets(1).Cells(targetRow, j) = _
CDbl(sourceWb.Sheets(1).Cells(i, j))
Case Else
targetWb.Sheets(1).Cells(targetRow, j) = _
sourceWb.Sheets(1).Cells(i, j)
End Select
Next j
targetRow = targetRow + 1
Next i

sourceWb.Close SaveChanges:=False
fileName = Dir
Loop
End Sub

 

表示形式を変換する、セル結合範囲を統一する、など事前にフォーマットを統一しておくとVBAの設定が容易になります。

 

大量データの処理最適化

数万行規模のデータを複数ファイルから統合する際は、メモリ効率と処理速度の最適化が成功の鍵となります。

 

配列を使用したバッチ処理や、不要なオブジェクトの適切な解放、画面更新の停止など、

VBAのパフォーマンスチューニング技術を駆使することで、実用的な処理時間を実現できます。

 

データ処理を高速化するサンプルコードがこちら

Sub 大量データ最適化処理()
Dim dataArray As Variant, outputArray As Variant
Dim sourceWb As Workbook, targetWb As Workbook
Dim i As Long, j As Long, outputRow As Long
Dim startTime As Double

' 処理開始時間の記録
startTime = Timer

' 画面更新を停止してパフォーマンス向上
Application.ScreenUpdating = False
Application.Calculation = xlCalculationManual

Set targetWb = Workbooks.Add
ReDim outputArray(1 To 100000, 1 To 10) ' 大容量配列を事前確保
outputRow = 1

' フォルダ内の全ファイルを処理
Dim folderPath As String, fileName As String
folderPath = "C:\大量データ\"
fileName = Dir(folderPath & "*.xlsx")

Do While fileName <> ""
Set sourceWb = Workbooks.Open(folderPath & fileName)

' データを配列に一括読み込み
dataArray = sourceWb.Sheets(1).UsedRange.Value

' 配列内でデータ処理(高速)
For i = 2 To UBound(dataArray, 1)
For j = 1 To UBound(dataArray, 2)
outputArray(outputRow, j) = dataArray(i, j)
Next j
outputRow = outputRow + 1

' 配列の容量チェック
If outputRow > UBound(outputArray, 1) Then
ReDim Preserve outputArray(1 To outputRow + 50000, 1 To 10)
End If
Next i

sourceWb.Close SaveChanges:=False
fileName = Dir

' 進捗表示
Debug.Print "処理完了: " & fileName & " (経過時間: " & _
Format(Timer - startTime, "0.0") & "秒)"
Loop

' 結果を一括出力
targetWb.Sheets(1).Range("A1").Resize(outputRow - 1, 10).Value = outputArray

' 設定を元に戻す
Application.ScreenUpdating = True
Application.Calculation = xlCalculationAutomatic

Debug.Print "全処理完了。総処理時間: " & Format(Timer - startTime, "0.0") & "秒"
End Sub

 

この最適化テクニックは、全てのマクロに応用できるVBAコードなので自由に扱えるようにしておきましょう。

 

【応用例3】項目別・部門別の自動ファイル分割

大きなデータファイルを項目や部門ごとに自動的に分割する処理は、データ配布や個別分析において非常に有用な機能です。

全社データから各部門用のファイルを作成したり、商品カテゴリ別の売上データを個別に出力したりする作業が自動化できます。

 

分割条件の柔軟な設定と、ファイル命名規則の統一により、大量のファイル生成でも管理しやすい構造の維持が可能。

テンプレートファイルとの組み合わせにより、書式設定やグラフなどの装飾も含めた完成度の高いファイル群を一括生成することが可能で、レポート作成業務の大幅な効率化を実現します。

 

新規ファイル作成と命名規則

分割処理で生成される大量のファイルを適切に管理するには、統一された命名規則と整理されたフォルダ構造が不可欠です。

日付、分類キー、連番などを組み合わせた体系的なファイル名により、後の検索や整理作業が大幅に簡素化されます。

 

既存ファイルとの重複回避や、無効な文字の除去なども含めて、運用に配慮したファイル管理システムの構築を意識しましょう。

Sub 命名規則ファイル作成()
Dim sourceWs As Worksheet, targetWb As Workbook
Dim i As Long, fileCounter As Integer
Dim basePath As String, fileName As String
Dim 部門名 As String, 処理日付 As String

Set sourceWs = ThisWorkbook.Sheets("分割対象データ")
basePath = "C:\自動生成ファイル\"
処理日付 = Format(Date, "yyyymmdd")
fileCounter = 1

' フォルダが存在しない場合は作成
If Dir(basePath, vbDirectory) = "" Then
MkDir basePath
End If

For i = 2 To sourceWs.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
部門名 = sourceWs.Cells(i, 2).Value

' ファイル名の無効文字を除去
部門名 = Replace(部門名, "/", "_")
部門名 = Replace(部門名, "\", "_")
部門名 = Replace(部門名, ":", "_")

' 命名規則に従ってファイル名を生成
fileName = basePath & 処理日付 & "_" & 部門名 & "_" & _
Format(fileCounter, "000") & ".xlsx"

' 重複チェック
Do While Dir(fileName) <> ""
fileCounter = fileCounter + 1
fileName = basePath & 処理日付 & "_" & 部門名 & "_" & _
Format(fileCounter, "000") & ".xlsx"
Loop

' 新規ファイル作成
Set targetWb = Workbooks.Add
sourceWs.Rows(i).Copy targetWb.Sheets(1).Rows(1)

' ファイル保存
targetWb.SaveAs fileName
targetWb.Close SaveChanges:=False

fileCounter = fileCounter + 1
Next i

MsgBox fileCounter - 1 & "個のファイルを作成しました。", vbInformation
End Sub

 

この実装により、大量ファイル生成でも秩序立った管理が可能になります。

 

テンプレートファイルの活用

分割されたデータにグラフや書式設定を含めた完成度の高いレポートを自動生成するには、テンプレートファイルの活用が効果的です。

 

事前に作成したひな形ファイルにデータを流し込むことで、手作業では困難な大量のレポート作成が自動化でき、

さらに、テンプレートの更新も一元管理できるので全ファイルの品質と統一性を保つことができます。

Sub テンプレート活用分割()
Dim sourceWs As Worksheet, templateWb As Workbook
Dim targetWs As Worksheet, newWb As Workbook
Dim templatePath As String, outputPath As String
Dim i As Long, dataStartRow As Long
Dim 分類値 As String

Set sourceWs = ThisWorkbook.Sheets("元データ")
templatePath = "C:\テンプレート\レポートひな形.xlsx"
outputPath = "C:\出力フォルダ\"

' 分類値ごとにテンプレートベースのファイルを作成
Dim processedKeys As Object
Set processedKeys = CreateObject("Scripting.Dictionary")

For i = 2 To sourceWs.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
分類値 = sourceWs.Cells(i, 3).Value ' C列が分類キー

If Not processedKeys.Exists(分類値) Then
' テンプレートを開いて新しいファイルとして保存
Set templateWb = Workbooks.Open(templatePath)
Set newWb = Workbooks.Add
templateWb.Sheets(1).Copy Before:=newWb.Sheets(1)
newWb.Sheets(2).Delete ' 元のシートを削除

Set targetWs = newWb.Sheets(1)
dataStartRow = 5 ' テンプレートのデータ開始行

' 分類に該当するデータを抽出してテンプレートに配置
Dim j As Long, targetRow As Long
targetRow = dataStartRow

For j = 2 To sourceWs.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
If sourceWs.Cells(j, 3).Value = 分類値 Then
targetWs.Cells(targetRow, 1) = sourceWs.Cells(j, 1) ' 日付
targetWs.Cells(targetRow, 2) = sourceWs.Cells(j, 2) ' 項目
targetWs.Cells(targetRow, 3) = sourceWs.Cells(j, 4) ' 金額
targetRow = targetRow + 1
End If
Next j

' タイトル部分を更新
targetWs.Cells(1, 1) = 分類値 & "部門レポート"
targetWs.Cells(2, 1) = "作成日: " & Format(Date, "yyyy年mm月dd日")

' ファイル保存
newWb.SaveAs outputPath & 分類値 & "_レポート_" & _
Format(Date, "yyyymmdd") & ".xlsx"

processedKeys(分類値) = True
templateWb.Close SaveChanges:=False
newWb.Close SaveChanges:=False
End If
Next i

MsgBox processedKeys.Count & "個のレポートファイルを作成しました。", vbInformation
End Sub

 

この方法により、プロフェッショナルな品質のレポートを大量生成できます。

 

まとめ:VBAでデータ抽出・別ファイル転記をマスターしよう

VBAによるデータ抽出と別ファイル転記の技術は、エクセル業務の効率化において欠かせないスキルです。

基本的な転記処理から条件付き抽出、複数ファイルの統合、項目別分割まで、それぞれの技術を組み合わせることで、

手作業で数時間かかっていた作業が数分で完了するようになります。

 

これらの自動化により、データ処理の正確性が向上し、人的ミスが削減されるだけでなく、創造的な業務により多くの時間を充てることができるようになります。

継続的な学習と実践により、より高度な処理技術を身につけ、組織全体の生産性向上に貢献していくことが重要です。

 

適切なエラーハンドリングとコードの保守性を意識しながら、実務に即した効果的なVBAシステムを構築していきましょう。

 

VBA初心者が『データ抽出VBA』を導入する方法

 

VBAなんて扱ったことないけど、業務内容に合わせた『データ抽出VBA』を導入したい!

 

こんな問題を解決する方法がこちら

  • マクロの開発を外注に依頼する
  • マクロが設定されたエクセルファイルをダウンロードする
  • 参考書やネットでVBAスキルを身に付ける

 

VBAスキルを身に着ける前は、「マクロ開発の外注」で対応していましたが、

今では自分で効率化マクロをサクッと導入しちゃいます。

 

完成されたマクロを使ってエクセル業務を処理する

作業効率が2倍以上アップ!!

便利すぎて自分でもマクロを設定したいと考え始める

参考書やネットの情報でVBAスキルを身に付ける

マクロ開発を代行できる程のスキルを習得

 

 

VBAは

他のプログラミングに比べて参考書やネットで紹介されている情報量が多いので初心者でも導入しやすい

という特徴があります。

 

外注した方が楽だけど費用がかかる。自分で導入すれば費用は0円だけど時間がかかる。。

いずれにせよ、効率化マクロを導入できれば作業効率が飛躍的にアップするのは間違いありません。

 

あなたに合った方法で導入しちゃいましょう。

 

マクロ開発を外注に依頼する

マクロ開発を外注に依頼する方法は

VBAを全く扱えない方でもエクセル作業を自動化できる最も簡単な方法

です。

 

「こんなデータ抽出作業を自動化したい」「作った資料を自動的にPDFで保存したい」「決まった様式に写真を自動で貼り付けたい」

こんな感じで実現したい内容を依頼するだけで業務内容に合ったマクロを開発してくれます。

 

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ガッツポーズの人

完成まで本業に集中できるので効率的

 

 

デメリットは、費用がかかることだけ。

開発内容、依頼先によってかかる費用は大きく異なります。

私が会社員の頃利用していた業者さんは1マクロあたり2万円~3万円の費用がかかりました。

 

Left Caption

疑問がある人

ちょっと高くない。。。

 

ちなみに、マメBlogでもエクセルマクロ開発代行サービスを承っています。

開発内容の確認、VBAコードの設定、動作確認後の調整、など全ての工程を私(マメ父ちゃん)が行っているので、

費用が安い!スピード納期!!

でやらせてもらっています。

 

ほとんど独学で身に付けたVBAスキルなので、内容によっては開発できないこともあるのでご了承ください。

 

ご相談、見積もり依頼は完全無料ですので気になる方は下記のリンクよりお問合せ下さい。

 

 

マクロが設定されたエクセルファイルをダウンロードする

VBA初心者でも『マクロが設定されたエクセルファイルをダウンロード』することで、

すぐに使っているエクセルにマクロを導入することができます。

 

VBA初心者でも形になっているマクロをゲットできる、費用が安い、

というメリットがあります。

しかし、

想定するマクロを見つけることが難しい、業務内容に合わせるためのアレンジが必要

というデメリットもあります。

 

Left Caption

ガッツポーズの人

お目当てのマクロが見つかればラッキー

 

個人ブログやファイルを販売できるサイト「note」や「Tips」ではいろんなマクロの情報が掲載されているので是非参考にしてみてください。

 

今までマメBlogで受注した効率化マクロを下記のnoteで掲載していますので併せてチェックしてみてください。

 

 

 

参考書やネットでVBAスキルを身に付ける

先程も紹介しましたが、

VBAは他のプログラミングに比べて参考書やネットで紹介されている情報量が多いので初心者でも導入しやすい

プログラミングです。

 

言い換えると、

情報量が豊富なので自分で勉強できちゃう

ということです。

 

私のVBAスキルはほとんど独学で身に付けたもので、

考えた処理のほとんどをVBAで表現できるレベルにまで到達した!

と思っています。

 

私の作ったマクロをプロのプログラマーが見れば、

お前の書くコードはインチキだ!「変数の宣言」とか「引数」を正しく使えよ!!

と感じるはずです。

 

でも、

私からすればどうでもいい!!!想定した内容を正しく処理できればよくないですか!?

 

独学であっても『写真を貼り付けるマクロ』『全てのシートをPDF出力するマクロ』『連番を振るマクロ』など、

業務内容に合ったマクロを開発できるようになれます。

 

独学でVBAスキルを身に付けるコツは、

エラーが発生してもいいからひたすらコードを書く、なんでもいいからエクセル作業をマクロ化してみる

です。

 

とは言っても、全くの知識0の方は何をすればいいかわからないですよね。

 

VBA知識0の初心者の方は、参考書『たった1秒で仕事が片づくExcel自動化の教科書【増強完全版】』を読んでみてください。

 

VBAの知識0の方でもすいすい読み進められる内容になっています。

やさしい内容にも関わらず「え!!VBAを使えばこんなことできるの!?」と感動すると思います。

 

実際に私はこの参考書を読んでからVBAの勉強を始めました。

 

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ひらめく人

VBA学習スタートのきっかけをくれた参考書


 

 

VBAの魅力を発見した後は、

ひたすら自動化したい内容のコードを書くだけ

です。

 

【VBA データ抽出】【VBA データ転記】でネット検索すれば知りたいコードをすぐにゲットできます。

 

実現したい処理に向かって、「調べる→書いてみる→エラーを改善する→調べる」を繰り返していると

自然といろんなマクロが作れるようになっているはずです。

 

VBAに興味が湧いてきたという方は今からVBA学習をスタートさせちゃいましょう。