個人事業主と会社員の違い【脱サラして事業を立ち上げた技術員の経験を紹介】

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豆父ちゃん

個人事業主と会社員の違いってなんなの?

こんな疑問にお答えします。

個人事業主と会社員の違いを一言でいうと、雇用されて仕事しているか自分で仕事をしているかが違う!ということです。

これだけを聞いても「仕事をすることには変わりはなく何が違うの?」と疑問に思う方がほとんどだと思います。この記事では、もっとづ具体的に個人事業主と会社員の違いを私の経験をもとにご紹介していきます。

 

私は大手電気会社に10年間、技術員として勤務。その後退職し、個人事業主として会社員のときに培った経験をもとに電気関係の事業を始めました。こんな私だから以下のようなことを具体的に紹介することができます。

 

  • 個人事業主と会社員の働き方の違い
  • 個人事業主と会社員が支払っている税金の違い(勉強中)
  • 個人事業主のメリット・デメリット

個人的結論は、個人事業主の方が私には向いていて脱サラしたことに後悔は全くない!ということです。これから脱サラを検討している方、個人事業主として開業予定の方は是非記事で紹介している内容を参考にしてみてください。

 

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そもそも個人事業主の定義とは

個人事業主(こじんじぎょうぬし)は、株式会社等の法人を設立せずに自ら独立して事業を行っている自然人をいう。法人事業主と対になる概念である。(参照:ウィキペディア)

個人事業主の定義を難しい言葉で表現すると上記のようになります。

個人事業主は会社に雇用されるわけではないので、上司や後輩といった縦社会が存在しません。仕事の成果物を上司に報告する必要もなければ、後輩に仕事を教える必要もありません。そのかわりに、仕事の全責任を自分で負うことになります。失敗して取引先に迷惑をかけたとき、または損害を与えてしまったときは責任を問われることになるので気楽ではありません。

事業形態としては、「事業主一人で事業を営む」「家族で事業を営む」「少数の従業員を抱えて小規模で事業を営む」ことが一般的で、なんらかの契約書や申請書によくある「職業欄」には自営業と記載することが一般的です。

 

個人事業主と会社員の働き方の違い

個人事業主と会社員では働き方に大きな違いがあります。実際に私が感じた違いを個人事業主の目線から紹介します。

 

  • 就業時間という概念がない
  • 個人事業主は全てが自己責任
  • 仕事に必要なものは経費として購入できる
  • 無駄な会議や打合せがない

もちろん事業内容によって大きく変わる部分があるのでご了承ください。

 

私が勤めていた会社は、いろんな社内規定が定められていて、規定違反をしたものには厳しい罰則が与えられるような会社でした。違反者に罰則があるのは仕方のないことなのですが、超過勤務時間の管理や年休の申請状況の把握、情報の共有化の記録といったようなルールが定められていて、これらのルールに違反しないように仕事をしなければならないという環境だったのでやりたい仕事をおもいっきりできない!という状態で勤務していました。

このような会社環境と個人事業主の環境の項目毎の比較をご紹介します。

 

就業時間という概念がない

個人事業主のとして事業を開始してから、就業時間という概念がありません。そのため仕事のスケジュールは全て自分の思うように計画することができます。

私の一日のスケジュールをご紹介します。

7:00  起床

8:00  現場に移動

9:00  作業開始

14:00  作業切り上げ

15:00  帰宅→デスクワーク

17:00  仕事終了

 

こんなスケジュール感で仕事をしています。私のこだわりとして、「頭が冴えている午前中のうちに現場作業を終わらせる」ということです。個人事業主で一番怖いのがケガや病気で仕事ができなくなってしまうことです。現場作業でケガをするリスクを最小限に抑えるためにこのようなスケジュールにしています。

自分の体調や家族の用事を考えてスケジュールを変更することも可能なので、とても働きやすい環境だと感じています。

 

会社員は就業時間がきっちり決められているので自由に一日をスケジュールを決められないことが多いのではないでしょうか。私が勤めていた会社では、打合せや会議や何よりも優先されたので現場作業や書類整理は常に後回しにされたので、残業で処理するしかない!という環境でした。

 

個人事業主は全てが自己責任

個人事業では、仕事での成功や失敗は全て自己責任になります。会社員が仕事に失敗しても上司から注意されて終わりというパターンが多いかと思いますが、個人事業主の場合そうはいきません。失敗して取引先に損害を与えてしまった場合、弁償をしなければなりません。弁償をして済めばいいのですが、最悪の場合契約を打ち切られて仕事がなくなってしまう!なんてこともあり得ます。

私は会社員時代、屋内照明の取替工事を行っていたときに配線を間違えて接続してしまったことがあります。この誤配線のせいで照明を点けると漏電警報器が動作するという事象が発生するようになりいろんな方に迷惑をかけた経験があります。このときは上司がお客様に誤ってくれて事なきを得ましたが、技術員としてあってはならない失敗です。

会社員であれば会社が守ってくれることが多くありますが、個人事業主は全ての責任を自分が負わなければならない!ということを肝に銘じていなければいけません。

 

仕事に必要なものは経費として購入できる

個人事業主では仕事に必要な材料や工具を経費として購入することができます。なので事業用の買い物をする際、いつも領収書をもらうようにしています。経費として購入することができるといっても、なんでもかんでも購入できるわけではありません。事業での収入を考えて経費を使わなければ赤字になってしまします。最悪の場合、生活が苦しくなるなんてこともあります。

「購入するものの必要性」「事業の売り上げ」「年内に使用した経費の金額」この3つを考慮して買い物をするようにしています。

会社員は会社の経費でなんでも買い物をすることができることができます。必要なものと言えば、「上司の承認=会社の承認」だけではないでしょうか。私が会社員の頃、経費を使って買い物をするとき「会社の売り上げ」を考えたことなんて一度もありません。上司の承認さえ貰えればいくらでも経費を使っていいんだという考えでした。

個人事業主になると、どこか他人事だった経費が自分の財布のお金のように思えるはずです。

 

無駄な会議や打合せがない

個人事業主で事業を営んでいると、無駄な会議や打合せに費やさられる時間は一切ありません。取引先との打合せ内容といえば、「仕事内容、必要なもの、報酬の金額」の3つです。必要最低限の打合せをして、あとは仕事を淡々とこなすことになります。

電気関係のような技術的な仕事を個人の業者に依頼するということは、「技術的、安全面に関しては完全に任せてもらえる」ということになります。取引先にとっては契約金額が高いか安いか、仕上がりか良いか悪いかが重要で、めんどうな会議や打合せを行う必要なんてありません。なので個人事業主には無駄な会議や打合せが少ない傾向にあるんだと思います。

会社員の頃、1番のストレス要因が「会議や打合せの強制参加」でした。もちろん重要な内容を検討することもありましたが、ほとんどが偉い人の挨拶と雑談で終わりという感じでした。ただ座っているだけで給料が貰えるんだから我慢しなよ!と言われたこともありますが、時間を無駄に使われている感覚が我慢なりませんでした。

もっと自分の時間を有効に使いたい!会議や打合せに無駄を感じる!という方は個人事業主への転職がおすすめです。

 

個人事業主と会社員の税金の違い

個人事業主と会社員では納税する税金や社会保険制度に大きな違いがあります。事業によって支払う税金が変わるので、個人事業主と会社員どちらがお得なのかを一言で紹介することはできませんが、私が感じる結論を言うと、年金と健康保険については会社員の有利(お得)、その他の税金については個人事業主の方が有利(お得)になる可能性が高い!ということです。

これから脱サラして個人事業主になることを検討している方のために、支払う税金や社会保険料の違いについてご紹介します。

一般的な会社員の場合、加入するのは健康保険と厚生年金保険なのに対し、個人事業主は国民健康保険および国民年金に加入することになります。

健康保険 年金
会社員 毎月納める保険料は会社と折半 毎月納める保険料は会社と折半
医療費負担 3割 納付額は割高だが受給額も大きい
一定期間の給与等の平均額に応じて保険料が算出される
扶養人数にかかわらず金額が決定される
個人事業主 保険料は全額自己負担 保険料は全額自己負担
医療費負担 3割 納付額は少ないが、受給額も少ない
前年の所得に応じて保険料が算出される
対象となる扶養者も保険料が徴収される

参考:弥生ホームページ

注目すべきところは、赤字で記載している「会社と折半」「全額自己負担」という部分です。個人事業主になると健康保険、年金ともに会社が支払っていてくれた分の金額も自分で支払わなければならないので出費が大きくなります。

健康保険と年金だけで考えると、会社員の方がいいと感じるかもしれませんが税金(所得税や住民税)については個人事業主の方が有利(お得)になる場合があります。それは個人事業主は節税対策ができる!ということです。

 

有名な節税対策の一つが青色申告による確定申告です。

青色申告を行うことで所得控除や経費計算上に関する特別控除を受けることができます。

青色申告って難しいの?結局税理士にお願いして確定申告しなければならないのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。会計に関する知識0の私でも、会計ソフト【マネーフォワードクラウド確定申告】を使って簡単に最大控除額(65万円)を受けることができています。

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下記の記事では、会計ソフト【マネーフォワードクラウド確定申告】で確定申告をする方法について詳しく紹介しています。実際に確定申告をしたときの手順を図を使ってわかりやすく紹介しています。

 

青色申告以外に私が行っている節税対策が、経費に見直しです。

 

  • 今年は仕事がうまくいって所得が多いから金額の高い工具を買う
  • 今年は仕事がうまくいって所得が多いから事業で使っている車を入れ替える
  • 今年は所得が低いからなるべき経費を抑えるようにしよう

このように事業の経営状態を確認しながら経費を使うということです。ほんとうに必要なものはすぐに用意しなければなりませんが、来年でもいいものや今は必要ないものが必ずあります。そんな経費を使って購入すべき材料・工具リストを作成して計画的に経費を使うようにしています。

上手に経費を使うことによって事業所得を下げることができます。そうすると所得税や住民税の納入金額を下げることができる!という仕組みです。

 

 

 

個人事業主のメリット

個人事業主のメリットをいくつかご紹介します。紹介しているメリットは実際に個人事業主となった私が感じているものです。

時間を自由に使える

個人事業主なら仕事のスケジュール、家庭のスケジュールを自由に調整することができます。

就業時間という決まりがないため、何時間働こうが何日休もうが完全に自由です。

私は毎月1日から20日集中的に仕事をして、それ以降休む!という働き方をしています。朝早くから現場作業をして、夜遅くまでデスクワークをして書類整理をしています。

無駄な会議や打合せ、上司や後輩との雑談をする必要がないので効率よく仕事をこなすことができます。

他にも子供の休日、習い事、通院のような家庭の用事が入ることがあらかじめわかっている場合、休みをとるようにしています。

 

頑張った分だけ収入を得ることができる

個人事業主では自分の頑張り次第で収入をアップさせることができます。

営業を行って契約を増やしたり、事業を拡大して仕事を増やしたりすることができます。仕事の契約が増えると年収をいっきにアップさせることができます。

頑張って仕事をしてアップした収入は全て自分の収入になります。

会社員が年収をアップさせるには昇級して基本給を上げたり、残業をいっぱいするしかありません。頑張って仕事しても会社で決められた給料しかもらうことしかできません。

 

お金の動きを把握できるようになる

個人で事業を行なっていると、お金の動きをしっかり把握できるようになります。

 

  • 取引先からの報酬
  • 経費で購入した材料・工具
  • 人を雇ったときの労務費
  • 事業の口座から家の口座にお金を移動

上記のようなお金の動きは帳簿をつけていればすぐに確認することができます。お金の動きを把握することができるようになると、お金の使い方が変わってきます。

 

  • 今年は事業の売上が多くて経費を全然使っていないから大きな買い物をしよう
  • 貯金ばっかりしていたけど、節税効果のある積立や保険かけるようにしよう
  • 今年は事業の売上が少ないから経費を控えめに使っていこう

事業の売上から仕事で必要なものの購入、家庭で必要なものの購入、保険や年金の支払いをしなければなりません。

会社員の頃よりもお金の価値についてよりシビアに考えられるようになりました。

 

個人事業主ならではのメリットはたくさんあります。会社員から個人事業主になろうと考えている方は参考にしてみて下さい。

 

個人事業主のデメリット

個人事業主のデメリットをご紹介します。下記で紹介しているデメリットは現在私が感じているものです。デメリットをしっかり把握すれば損失を発生させないように仕事をすることができます。

 

仕事・私生活で発生する損失の全てが自己責任

仕事や私生活で発生する損失は全て自己責任となります。

 

  • 仕事でミスをして取引先からの信用を失ってしまった
  • 報酬金額に間違いがある状態で契約してしまった
  • 家庭の用事を優先して仕事を断った

個人事業主の場合、自分の判断したことで発生してしまう損失は全て自己責任となります。

会社員ならば自分の失敗は上司や会社がカバーしてることもあったと思います。個人事業主になるとカバーしてくれる上司や会社はなくなるので注意しなければなりません。

私は会社員の頃よりも、一つ一つの行動や発言に注意を払うようになりました。

 

ケガ・病気をした場合、事業を営むのが困難になる

個人事業主の最大のデメリットがケガや病気にかかってしまうと仕事が出来なくなる!ということです。

個人で仕事をしていると、ほとんどの業務内容が自分しか知らないことになり、誰かに仕事を代わってもらうことができなくなります。

働けなくて収入がなくなることも一大事ですが、取引先にも大変な迷惑をかけてしまうことになります。

自分が働けなくなった場合の対応を用意しておくとケガや病気で発生するリスクを最小限に抑えることができます。

 

年金・社会保険料が高くなる

上記の税金の違いでもご紹介しましたが、個人事業主になると社会保険料と年金の支払金額が会社員よりも高くなってしまいます。

ほかにも会社員だけが加入することができるお得な共済や団体保険というものがなくなってしまうので、個人でいろんな保険を探して加入する必要があります。

私の場合、会社員の頃よりも個人事業主となった現在の方が保険や年金に支払っている金額が高くなっています。

どんな保険に入ってどれくらいの金額を支払うことになるのか事前に計算しておくといいでしょう。

 

安定した収入を得るのが難しい

個人事業主は会社員と違って安定した収入を得続けるのは難しくなります。

私の場合、取引先との契約が解除されれば報酬が貰えなくなってしまいます。取引先から契約を解除されないためには日頃の仕事を一生懸命頑張るしかありません。

個人事業主になりたいからといって、なんの計画もなしに会社員を辞めてしまっては収入が0になってしまう可能性があります。

会社員を辞める前に、どれだけの仕事量があってどれだけの契約がとれるのかを考えておくようにしましょう。

 

 

脱サラする前に抑えておくべきポイント

無計画で脱サラするのは得策とは言えません。脱サラする前に次の仕事に転職する前に「今の仕事を辞めたらどうなるか」「次の仕事で得られる収入はいくらになるのか」を念入りに調べておきましょう。この2つは本気で脱サラを計画している方であればすでに調べ終わってるかと思います。

下記では、あまり気にされないけど重要なポイントをご紹介します。

 

開業準備費で事業に必要なものを用意する

退職前の会社員の状態であっても、開業準備費として経費で買い物をすることができます。

やることと言えば、買い物したときに領収書を貰う!たったこれだけです。領収書さえあれば開業後、経費として仕訳を登録することができます。

この時、領収書に必要な名前は空欄で大丈夫です。このとき使った開業準備費は会計上、5年で償却することができます。

 

どういうことか具体例を参考にご紹介します。

開業準備費で100万円使った場合、1年目は20万円、2年目は20万、、、というように5年間で経費を使ったことにすることができます。

これが5年で償却する!ということです。

 

事業で絶対に使う事務用品や材料、工具などは5年で償却することができる開業準備費で購入することをおすすめします。

 

会計ソフトを導入する

個人事業主で事業を営むと言うことは、経費・会計業務を自分で行うことになります。この場合、帳簿や請求書、見積書の作成をする必要があります。

このとき会計ソフトを利用するととても効率的に作業を行うことができます。

会計ソフトを導入することで得られる最大のメリットが確定申告者を帳簿から自動で作成することができる!ということです。

毎日の帳簿付けをしっかり行なっていれば、確定申告書の作成はものの数分で処理することができます。手書きまたはエクセルでの帳簿作成は、確定申告書の作成に時間と手間がかかるのでおすすめできません。

私のおすすめする会計ソフトは【マネーフォワードクラウド】です。【マネーフォワードクラウド】では以下の機能を利用することができます。

<<【マネーフォワードクラウド確定申告】の無料申し込みはこちら

 

  • 請求書、領収書、見積書の作成
  • 帳簿の作成
  • 確定申告書の作成
  • 銀行口座の情報を取得

他にもいろんな機能を利用できるのですが、私の事業では上記の機能を利用しています。【マネーフォワードクラウド】一つあれば、経理・会計業務の全てを処理することができます。

下記の記事では、【マネーフォワードクラウド】を使って確定申告をした経験について詳しく紹介しています。

 

会計ソフトの導入を検討している方は是非参考にしてみてください。

 

税務署・商工会議所に行く

会社員から個人事業主になると、納税の方法や社会保険料の支払いの方法が大きく変わります。

そのため会計処理に自信がない方はまずは税務署か商工会議所に経理または会計のことを相談しにいくといいでしょう。

私は開業した当初、「開業に必要な手続き」「帳簿の付け方」「確定申告の方法」などいろんか疑問を抱えていたので商工会議所に足を運んで相談をしていました。商工会議所では、帳簿作成に関する無料セミナーや個人事業主が集まるセミナーなどに参加することができます。