停電しているのにブレーカーが落ちてない【考えられる原因と対処法を紹介】
こんな疑問に対して、考えられる全ての原因をご紹介します。
停電が発生すると、「電気の使い過ぎでブレーカーが落ちてしまったんだな」と考える方が多くいらっしゃいます。電気の事故は電気の使い過ぎによってブレーカーが落ちてしまうような単純な場合とそうでない場合があります。
今回この記事で紹介する事象は、停電しているのにブレーカーが落ちていない複雑な事故についてご紹介します。
目次
電力会社が原因による停電
停電しているのにブレーカーが落ちていない事象は、高い確率で電力会社からの電気の供給がストップしたことが原因と考えられます。
私は電気設備の保守管理をしている仕事上、お客様の建物で停電が発生すると連絡が来ます。そのときお客様に確認することが、主幹のブレーカーの状態と建物全ての電気が消えているかを確認します。ここで、建物全体が停電しているのにブレーカーが落ちていない場合はすぐに電力会社に連絡してお客様の地域が停電しているかの確認をします。ほとんどの場合、電力会社からの送電ストップが原因と解答を貰うことができます。
抑えておきたい知識として、電力会社からの電気の供給がストップした場合、ブレーカーが落ちることはないということです。
注意しておきたいのが、電力会社からの電気の供給がストップした場合、ブレーカーが落ちることはない!と紹介していますが、停電しているのにブレーカーが落ちてない場合は100%電力会社が原因である!と断定することはできません。
自分の電気設備が原因で電力会社の設備になんらかの悪い影響を与えてしまい停電を発生させてしまっている可能性もあります。
これはとても稀なケースですが0%ではありません。この場合は電気工事屋さんなどプロの方に悪さをいている故障原因を突き止めてもらうしかありません。
普通に生活している我々にとって急に停電したとき、電気の使い過ぎが原因で停電したのか電力会社が原因で停電したのかを判別するのは難しいのが現状です。しかし、ちゃんとした知識と一般の人でも手軽に購入できる簡単な測定機器があれば割と簡単に判別することができます。
電力会社の停電を判別する方法
電力会社からの電気の供給がストップして停電が発生した場合の判別方法をご紹介します。
周囲の住宅や街灯が停電していないか確認
電力会社からの電気の供給がストップして停電が発生した場合、ある程度広い地域で停電している可能性が高いと考えられます。
- 送電線が切れた
- 変圧器が壊れた
- 変電所でトラブルが起きた
電気設備の信頼度が向上し停電は滅多に発生しなくなりましたが、0%ではありません。自然災害や設備の経年劣化が原因で停電が発生する可能性は十分にあります。
とるべき行動としては、まずは自分の建物の主幹ブレーカーが落ちていないことを確認、次に外に出て周囲の住宅や街灯、信号機などが停電していないか確認する!ことです。
広い地域で停電していれば、電力会社からの電気の供給がストップしていると判断していいと思います。電気の供給が再開されるのを待つしかありません。
主幹ブレーカーに電気がきているか確認
電力会社の電気設備にはいろんな場所にヒューズが設備されています。一般的なヒューズの考え方と一緒で、大きな電流が流れヒューズが切れていまうと電気が流れなくなり停電が発生しています。
なんらかの原因で電力会社のヒューズが切れてしまった場合、建物数件軒だけ停電してしまう可能性は十分考えられます。この事象の場合、周囲の住宅を確認しても電力会社の事故が原因による停電かどうか判別することは難しくなります。停電の条件を次のようになります。
- 自分の建物が停電
- 周囲の住宅や街灯、信号機なはが停電していない
- 主幹ブレーカーは落ちていない
上記3つの条件で停電を確認した場合にとるべき行動としては、電気需給契約をしている電力会社に連絡する、または主幹ブレーカーの1次側の電圧を確認する!ということです。
ここで注意しておきたいのが、電圧を確認するという行動は誰もができるわけではありません。自身のない方は電力会社への連絡だけで十分な対応です。
主幹ブレーカーの1次側の電圧確認方法を下図でご紹介します。
図では一般家庭によく設備されている分電盤の写真を利用しています。この分電盤の場合どれが主幹ブレーカーかわかりやすくなっていますが、分電盤の中には主幹ブレーカーがわかりにくくなっているものがあるので注意が必要です。
電圧を確認するにはテスターや低圧用検電器という電圧測定機器が必要になります。
カスタム デジタルテスタ CDM-09N
電気があるかないかを確かめるための測定機器です。
我が家では停電のような異常事態のほかにとテスターをよく使うことがあります。
- 乾電池の残量確認
- 車のバッテリー電圧の確認
- 電気工事DIY
一家に一つあるとなにかと便利な電気用品です。
テスターの中でも上記で紹介しているカスタム デジタルテスタ CDM-09Nが私のお気に入りです。理由としては、使ったあとコードを片付けやすい、測定がやりやすい、テスターの中では比較的安価という3つの理由からです
テスターのようにコードがある測定機器は片付けるのがとてもめんどうなんです。元通りにならないと収まりが悪いのでモヤッとした気持ちになってしまいます。私のテスターを選ぶときの基準としては如何に片付けやすいか!です。これからテスターの購入を考えている方は参考にしてみてください。
長谷川電機工業 交流用低圧検電器 HTE-610L
電気があるかないかを確認するために測定器です。
電気がある場所に検電器をあてると、「ピーッ、ピーッ」と音がして、電気のない場所にあてても音がしません。テスターよりも簡単に素早く電気の有無を確認することができます。
低圧用検電器の中でも私がおすすめするのは、長谷川電機工業 交流用低圧検電器 HTE-610Lです。おすすめの理由としては、感度調整機能がついていない、安価という2つの理由からです。
感度調整機能が付いている方が性能が良いのでは?と思われる方がいるかと思いますが、感度調整機能は電気の仕事をしているプロ仕様であると私は思います。仕事で感度調整機能付きの検電器を使用していたのですが、使っているうちに調整が狂い検電器が鳴らない!ということがありました。日頃からしっかり検電器のメンテナンスができる人向けの機能になります。
ブレーカーや乾電池の電圧を確認するのであればテスターがあれば十分です。
検電器は電気があるかどうか鳴動音ですぐに判断できて、テスターは電圧を数値で測定することができる!という違いがあります。
一般の方がどちらか一方を購入するのであれば、テスターの購入がおすすめです。テスターがあればブレーカー、乾電池電池、車のバッテリー、コンセントなどの電圧を測定することができるのでとても便利です。
自分の設備が原因による停電
自分の電気設備の不良が原因で停電してしまうことがあります。
なんらかの設備不良が原因で電力会社から電気を受け取っている主幹ブレーカーが落ちてしまった場合、勘違いをして末端側にあるブレーカーを確認してしまうと「停電しているのにブレーカーが落ちていない」と思い込んでしまうケースがあります。
大きい建物や工場などでは、上図のようにブレーカーが分岐して分電盤が複数設備されていることがあります。
電力会社から電気を受給している主幹ブレーカーだと思って確認したブレーカーが実は末端の方にあるブレーカーである可能性があります。
この場合、電力会社からの電気は供給されているにも関わらず、停電しているのにブレーカーが落ちていない事象が発生してしまいます。言葉での説明はわかりにくいと思うので下の図を参考にして状況をイメージしてみてください。
このような状況ではどのような行動をとればよいのかご紹介します。
ブレーカーが複数あるか確認
停電の状況を正確に把握するには、自分の電気設備を正確に把握しておく必要があります。今回の例では、確認したブレーカーよりも大元にある電力会社から電気を受給している主幹ブレーカーの状態を確認する必要があります。電気関係の仕事をしている人達はよく「責任分界点のブレーカー」と言います。責任分界点のブレーカーはどれなのか把握しておくといいでしょう。
ここでとるべき行動をしては、ブレーカーがどこにどれだけの数があるのか把握する、電気工事屋さんか電力会社へ連絡をすることです。
下記の記事では、電気工事を依頼することができる【電気の工事屋さん】について詳しくご紹介しています。自分の電気設備の不良を発見した場合、自分で修繕しようとせずまずは【電気の工事屋さん】に相談することをおすすめします。電話相談、見積無料のサービスを行っているので気軽に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
ブレーカーに電気がきているか確認(電圧確認をできる人限定)
どれが主幹ブレーカーかわからない以上、ブレーカー一つ一つの電圧確認をしていき、どこまで電気が供給されているかを調べていきます。調査をすすめていくと、どこかに必ず落ちているブレーカーがあるはずです。そのブレーカーが停電の原因になります。
停電の原因のブレーカーを発見したあとのとるべき行動としては、とても難しい判断が要求されます。それは落ちているブレーカーをとりあえず元に戻すのか、それともブレーカーが落ちた原因を突き止めてから元にも戻すのか、の2つの選択肢があります。
私は自分の仕事の関係上、原因を突き止める前にブレーカーを戻すようなことは絶対にしません。しかし今すぐにでも電気を使えるようにしてもらわないと困る!という状況も考えられます。ブレーカーを戻したら問題なく使えるようになったというパターンも数多くあります。
ここでのとるべき行動は、自己責任のもと自己判断でブレーカーを扱う!とさせていただきます。
電気事故は事故原因を断定することが難しい
停電しているのにブレーカーが落ちていない!という状況から考えられる原因と対処法をご紹介していきました。電気のトラブルにはいろんな事象が複雑に組み合わされ、停電してしまうケースがあるので、「停電したらこの行動をとれ!」と一概にご紹介することができません。
一つ一つ考えられる停電の原因と考えられる事柄を調査していきとるべき行動を変えていかなければなりません。時間をかけて調査しても事故原因を断定できないこともあります。この場合は調査した結果から電気を元に戻しても安全という判断を下し復電させるしかありません。
この記事を読んで、停電が発生したときどんな行動をとるべきなのか少しでもイメージすることができた!と感じてもらえたら幸いです。
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