電験三種勉強方法【高圧ケーブルと高圧電線】
私は電気設備を保守・管理する仕事をしています。
仕事では高圧ケーブルと高圧電線などの電気設備の保守・管理をしているので仕事で学んだ知識が試験勉強にとても役立ちました。
試験によく出題される語句や数値のほかに参考書にはあまり記されていない高圧ケーブルと高圧電線の違いなどを図や表を用いて紹介します。
目次
高圧ケーブルの特徴
高圧ケーブルの最大の特徴は「直接触っても感電しない」ということです。
高圧ケーブルの断面図下図のようになります。
図の中の遮蔽銅というものが重要な役割を果たしています。
実物の遮蔽銅は銅でできたテープのことで高圧ケーブルの始まりから終わりまでテープが巻きつけられています。
上図のように高圧ケーブルの「始まり」もしくは「終わり」で遮蔽銅と接地が接続されています。
遮蔽銅が接地と同等の役割となるため、高圧ケーブルを手で触っても感電しないということになります。
上記の高圧ケーブルの断面図は説明のために主要な部材のみ紹介しています。
仕様書などを見るともっと複雑な構造になっているので注意してください。
試験によく出る高圧ケーブル
高圧ケーブルの敷設方法
架空高圧ケーブルを敷設する場合ハンガーの間隔は50cm以下であること
ちょう架用線は引張強さ5.93kN以上のものまたは断面積22mm2以上の亜鉛めっき鉄より線であること
ちょう架用線またはケーブルの被覆に使用する金属体にはD種接地工事を施すこと
上記3つは試験や問題集によく出題されます。
ちなみにケーブルの被覆に使用する金属体は上記で説明した、遮蔽層のことです。
私は語呂合わせで覚えました。
意味不明ですが、私に馴染む語呂なので頭にスッと入ってきました。
今はハンガーではなく、ラッシングというもので架空ケーブルを支持するのが主流となってきています。ハンガーはそこまで重要ではないかもしれない。。下図が「ハンガー」と「ラッシング」の違いです。
屋側に施設する電線路
屋内を貫通して施設する電線路、屋側に施設する電線路、屋上に施設する電線路又は地上に施設する電線路は、当該電線路より電気の供給を受ける者以外の者の構内に施設してはならない。ただし、特別の事情があり、かつ、当該電線路を施設する造営物(地上に施設する電線路にあっては、その土地)の所有者又は占有者の承諾を得た場合は、この限りでない。
とあります。
赤文字は下記のように出題されます
造営物→建造物、工作物、建築物
所有者→設置者、管理者、電気使用者
占有者→設置者、管理者、電気使用者
承諾→承認、認可、許可
第37条の条文の中で屋側に施設する電線路(高圧)はケーブルを使用しなければならない。
造営材の側面または下面に沿って取り付ける場合は、支持点間の距離を2m以下、垂直に取り付ける場合は6m以下とし、かつ、その被覆を損傷しないように取り付けること。
管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱およびケーブルの被覆に使用する金属体にはA種接地工事(接触防護措置を施す場合は、D種接地工事)を施すこと
とあります。
上記の赤字部分はよく出題されるので覚えておきましょう。
高圧電線の特徴
高圧ケーブルとは対照的な表現になってしまいますが「直接触ると感電してしまう。」ということです。
電線の種類として大きく分けて裸電線と絶縁電線があります。
絶縁電線は絶縁なんだから触っても感電しないのでは。と考える方もいると思いますが、絶対に触ってはダメです。
通電している導体を覆っている絶縁被覆は感電を防止するための絶縁性能はありません。注意しましょう。
試験によく出る高圧電線
電気設備の技術基準の条文がよく問題にされると思います。
電線、支線、架空地線、弱電流電線等(弱電流電線および光ファイバーケーブルをいう)その他の電気設備の保安のために施設する線は、通常の使用状態において断線のおそれがないよう施設しなければならない。
とあります。
赤文字は下記のように出題されます
Point
保安→保守、点検、検査
使用状態→稼働状態、通電状態、施設状態
断線→火災、停電、感電
低圧又は高圧の架空電線は、感電のおそれがないよう、使用電圧に応じた絶縁性能を有する絶縁電線又はケーブルを使用しなければならない。ただし通常予見される使用形態を考慮し、感電のおそれがない場合は、この限りでない。
2
地中電線(地中電線路の電線をいう)には、感電のおそれがないよう、使用電圧に応じた絶縁性能を有するケーブルを使用しなければならない。
とあります。
赤字は下記のように出題されます。
使用形態→稼働状態、通電状態、施設状態
使用電圧→対地電圧、線間電圧、公称電圧
配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び使用電圧に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。
とあります。
赤字は下記のように出題されます。
接触電線→裸電線、絶縁電線、地中電線
使用電圧→対地電圧、線間電圧、公称電圧
参考書を読むだけでは、重要な語句は覚えれるけど、どんな選択肢で出題されるかはわかりません。
過去問や練習問題と合わせて勉強することをおすすめします。
違いをしっかり把握しよう。
さまざまな離隔距離
地中電線相互の離隔距離(地中電線はケーブルでなければならない)
低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は0.15m
低圧または高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は0.3m
全て上記の離隔で設備するのは大変。。
次の条件に当てはまれば、離隔距離を短くできる。
よく出題されるので覚えておきましょう。
- 地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
- いずれかの地中電線が、不燃性の被覆を有する場合
- いずれかの地中電線が、堅ろうな不燃性の管に収められている場合
- それぞれの地中電線が、自消性のある難燃性の被覆を有するまたは堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められている場合
- 地中箱内の場合
「それぞれ」と「いずれか」の関係性
「難燃性」「耐火性」「不燃性」「自消性」の優劣関係をしっかり把握しましょう。
出題率高めです。
地中電線と他の埋設物の離隔距離
地中電線が他の埋設物と接近または交差して敷設される場合他の埋設物との離隔距離は表に示す値以上でなければならない。
低圧又は高圧 | 特別高圧 | |
地中弱電流電線 | 0.3m | 0.6m |
ガス管等 | – | 1m |
水道管等上記以外の管 | – | 0.3m |
全て上記の離隔で設備するのは大変。。
次の条件に当てはまれば、離隔距離を短くできる。
- 地中電線と他の埋設物の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
- 地中電線を堅ろうな不燃性の管または自消性のある難燃性の管に収める場合
似たような語句がいっぱいでてきて紛らわしいですが出題率が高いものばかりです。
しっかり覚えましょう。
おわりに
今回は高圧ケーブルと高圧電線に関する箇所を紹介しました。
特徴や構造は試験に出題される頻度は少ないですが、設備がイメージができるということは大切なことです。
設備に関する数値や語句が頭に入りやすくなります。
電線の離隔や太さの数値を覚えるのは大変ですので少しでも記憶に定着するよう工夫した勉強を行いましょう。
他にも
電験三種勉強方法〜法規科目似たような数値や表現をしっかり覚える〜
で試験に出題される確率が高いものの紹介をしています。
是非参考にしてみてください。
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